将棋 駒落ち 上達への道

駒落ちについて考えるブログです。

香落ちの考え方(上手編)

香落ち上手は、左側の香車がいないので基本的に反対側に玉を囲う、

つまり振り飛車で戦うことになります。

香落ち上手には大きく分けて2つの指し方があると思います。

 

 

その1:力戦に持ち込む

2つの例を見ていただきましょう。

 

①3手目△5四歩(大野流向かい飛車)

 

初手から

△3四歩▲7六歩△5四歩▲2二角成△同 飛▲5三角△4二銀▲8六角成

f:id:shogi81komaochi:20170226205413p:plain

以下普通に進めてみるとこのような感じでしょうか。

f:id:shogi81komaochi:20170226210022p:plain

馬を作られてもいい勝負。上手陣は軽くていい形ですね。

 

②石田流

 

初手から

△3四歩▲7六歩△3五歩▲5六歩△3二飛

f:id:shogi81komaochi:20180622110127p:plain

▲5六歩に対して平手だと△4四歩と止めるのが最善と言われていますが……強気に△3二飛です。大丈夫でしょうか?

 

▲2二角成△同 銀▲6五角△2五角▲2六歩△4七角成▲5八金右△4六馬▲4八飛△6四馬▲4三角成△4二歩▲4四馬△6二玉 ▲6八玉△7二玉▲7八玉△5二金左

f:id:shogi81komaochi:20180622110433p:plain

これもいい勝負です。将来22の銀が動いても香車を取られる心配がありません。

 

2つとも平手で損と言われている指し方ですが、香落ち上手のメリットを生かした指し方です。

 

香落ちにおいて3手目△5四歩や石田流、中飛車、相振りなどはこれと決まった定跡がないので両者の構想力が問われる将棋になりやすいです。

香落ち分の実力差を見せつけるにはいい作戦と言えるでしょう。

 

香車なんてない方がいいんだ!\(^o^)/

 

その2:定跡を研究する

 

駒落ちの定跡は①長い間進んでいない、②下手が勝つように作られている部分もある

という特徴があります。

香落ちは微差なのにそんなに簡単に優勢になるはずがないんです。

 

例えば香落ちの王道、三間飛車

f:id:shogi81komaochi:20180622113712p:plain

 よくある仕掛けです。ただし上手陣の形は71玉・52金型や82玉72銀・41金型とかいろいろ工夫できるのが下手からするとややこしい。

 

そしてある定跡書通りに進めてみるとこうなります。

f:id:shogi81komaochi:20180622114153p:plain

この図は下手よしと書いてありますが、例えば△8四香▲3九歩△4六歩と進んでみてどうでしょうか。

34角のラインもちらつきますし、65銀~76銀のドリブルも嫌。筆者は下手をもって自信がないですね。

 

 

三間飛車四間飛車は下手は定跡どおりに攻めてくることが多いです。

穴熊などの持久戦にすると香落ちが生きにくいので、下手が急戦になるのは仕方ない面もあります)

 

定跡を研究することは、特定の変化に誘導しやすいというメリットがあります。

 

ただ、香落ちの研究は意味ないです()

やはり対局中に読む力を養うことが、棋力向上の観点からすると大事なのかなと思います。

 

 

と、大まかな2つの指し方、考え方(力戦・定跡)を紹介しました。

 

ちなみに、香落ち上手の筆者のおすすめの指し方は……毎局違う所に飛車を振ることです。色んな指し方を知ることは平手にも役立ちます。そして純粋に面白い。

 

香車がとられる心配がないので大捌きがしやすいですし、多少失敗しても実力差でなんとかなります。(ならないこともあります)

 

皆さんも香落ち上手LIFEを楽しみましょう!

香落ちについて

「香落ち」は将棋道場だと2階級差の手合いです。二枚落ちや飛車落ち、角落ちに比べると皆さんあまり馴染みのない手合いかもしれません。

 

香落ちと言えば、かの升田幸三が子どもの頃、物差しの裏に「名人に香車を引いて勝つ」と書いてそれを実現したというエピソード。

名人に香車を引いて勝ったのは後にも先にも升田幸三ただ一人。かっこいいですね。

 

数年?前の将棋世界の企画ではトップ棋士と新四段の指し込み2番勝負で香落ちが指されたこともありました(結果は上手から見て2勝4敗)。

 

奨励会では2階級差は香落ち、1階級差は平香交じりの手合いで行われるので、

「香落ちを制する者は奨励会を制す」なんて言葉があるくらい香落ちは重要、らしいです。

 

このブログでは、香落ちを指すときの参考になれば、と様々な戦型を(ざっくり)紹介します。

 

もちろんここに書いてない指し方もあるでしょう。

定跡にとらわれない自由な指し方を探してみてください。

続きを読む

香落ち 下手鳥刺し

香落ち下手の鳥刺しの作戦を紹介します。

f:id:shogi81komaochi:20180316171555p:plain

「鳥刺し」は対振り飛車で用いる、角道を開けずに引き角と中央から繰り出した左銀を使って攻めていく作戦です。

この作戦を香落ち下手で応用します。

 

香落ち上手四間飛車に対して▲7七銀△4三銀▲7九角(図)と引き角で攻める作戦がありました。7九の角が上手陣のの弱点である端を睨んでいます。

f:id:shogi81komaochi:20170227165529p:plain

shogi81komaochi.hatenablog.com

 

香落ち下手で、最初から角道を開けず引き角で攻めるというのはなかなか理に適った作戦かもしれません。

 

 

初手から

△3四歩▲2六歩△4四歩▲4八銀

f:id:shogi81komaochi:20180316170414p:plain

下手の初手は▲2六歩。対して上手は中飛車も有力ですが今回は△4四歩と角道を止める指し方を見ていきます。

下手は角道を開けず駒組みを進めていきます。

 

△3二銀▲5六歩△4三銀▲6八銀△3三角▲5七銀左△4二飛▲2五歩△6二玉▲7九角△7二銀▲6八玉△7一玉▲7八玉

f:id:shogi81komaochi:20180316171417p:plain

そして引き角にして着々と攻めの体制を整えていきます。

 

△5二金左▲9六歩△9四歩▲3六歩△8二玉▲1六歩△6四歩▲1五歩

f:id:shogi81komaochi:20180316171555p:plain

一例ですがここまで組めれば下手が指しやすいでしょう。

 

次は▲1四歩からの端攻めがあります。

△1二飛と備える手には▲4六銀と左の銀を繰り出して……

f:id:shogi81komaochi:20180316173155p:plain

あとは▲3五歩からガンガン攻めていきます!

ま、そんなに簡単には決まらないかもしれませんが(-_-;)

 

香落ち下手で「鳥刺し」は試してみる価値あり、といったところでしょうか。

香落ち 四間飛車①

香落ち上手四間飛車vs下手居飛車

 

初手から

△3四歩▲7六歩△4四歩▲2六歩△4二飛・・・と進めるのが普通ですが、

△3四歩▲7六歩△4二飛(図)とする手もあります。

f:id:shogi81komaochi:20170227160016p:plain

これは上手が△4四歩と角道を止めて相振り飛車にするのを嫌った意味があります。

対して下手が▲2六歩と居飛車で来れば、△4四歩(図)と通常の四間飛車に戻ります。

ちなみに、角交換四間飛車もなくはないですが、角交換をすると上手のほうがまとめづらい印象です。

f:id:shogi81komaochi:20170227155650p:plain

△4四歩からの相振りと、△4二飛からの相振りのどちらが指したいかは好みでしょうね。本記事のように下手が居飛車なら関係ないですが。

 

・上手美濃囲い

f:id:shogi81komaochi:20170227161456p:plain

まずは上手が美濃囲いの場合をみていきます。

対して、定跡書では下手が急戦が基本ですが、持久戦も考えられます。

上手△4四銀型、下手居飛車穴熊で仮に進めてみました。(図)

f:id:shogi81komaochi:20170227161611p:plain

下手が▲1六歩と突いたときに△1四歩と受けたら、▲1五歩と突っかける手があるので、香落ちを生かせないこともなく。

香落ちで持久戦は下手損と一般的には言われますが、実戦的に勝ちやすく有力だと思いますよ。

上図は仮想局面ですが、上手ももっと早く動いたり様々な工夫ができると思います。

 

・下手急戦

次に下手が急戦の場合をみていきます。

f:id:shogi81komaochi:20170227163255p:plain

図は下手が▲1六歩と突いたのに対し、△1四歩と受けた局面です。

上手の四間飛車では△1四歩と端歩を受けることが一般的です。

が、受けない手も考えられます。

f:id:shogi81komaochi:20170227163914p:plain

▲1四歩△同歩▲同香と攻める手はありますが、△1三歩▲同香成△同桂▲1八飛△1二飛の進行でどうか。三間飛車と似た変化で、これは難しい形勢だと思います。

端歩を受けない手も十分考えられるでしょう。

 

本譜は端歩を受けてみました。やっぱりよく指されるので。

f:id:shogi81komaochi:20170227165226p:plain

ここから有名な作戦は2つあります。

①▲7七銀△4三銀▲7九角 と進めるのが引き角作戦。

f:id:shogi81komaochi:20170227165529p:plain

△2二飛と受けて(▲1五歩△同歩▲2四歩は△同角▲同角△同歩▲1五香△2五歩で大丈夫)どう指すか、という局面です。

 

②▲5七銀左△6四歩▲3六歩△6三金▲3七銀△5四歩 と進む棒銀作戦も有力。

f:id:shogi81komaochi:20170227170013p:plain

以下▲2六銀と出て、△4五歩▲3三角成△同 銀▲3七銀と、角交換をして上手はまとめづらくないですか?とじっくり指すのが一案。

また、▲1五歩△同歩▲2四歩とすぐに仕掛けるのも有力です。

以下△同歩なら▲1五香、△同角なら▲2六銀と攻めます。

 

上手も△3二銀で待つか、△4三銀と上がるかなど工夫して指すことができます。

どの作戦で来てもすぐに潰れるということはなく、上手の四間飛車も優秀な作戦です。

香落ち 3手目△5四歩(大野流向かい飛車)①

香落ち 3手目△5四歩(大野流向かい飛車)の指し方を紹介しましょう。

 

初手から

△3四歩▲7六歩△5四歩

この手を初めて見られた方は少しびっくりするかもしれません。

この指し方は「大野流向かい飛車」というらしいです。

※ちなみに3手目△5四歩って書きましたが、初手△5四歩でも▲7六歩に△3四歩とつけば同じ局面になります。

 

しかし平手でも香落ちでも、中飛車にするなら初手▲5六歩が普通で、▲7六歩△3四歩▲5六歩と突く人はあまりいません。なぜか。

 

▲2二角成△同飛▲5三角

そう、この手があるからです。次に角成を受けることができません。

ですから先手番でゴキゲン中飛車を指すときは、▲1六歩の端歩の一手を入れて飛車先の歩を突かすというのがよくある指し方です。(参考図)

 f:id:shogi81komaochi:20170226203039p:plain

これなら△8八角成▲同飛△5七角は▲6八角で受かるという寸法です。

 

香落ちに戻ります。
△4二銀▲8六角成

f:id:shogi81komaochi:20170226205413p:plain

では、馬を作られたら駄目なのでしょうか?いいえ、ケフィアです。じゃない。

平手でもたまに指される作戦ですし、香落ちだとかえっていいくらいです。

 

試しに適当に進めてみましょう。

テキトーに進めて、こんな局面になりました。どうでしょう。

f:id:shogi81komaochi:20170226210022p:plain

この局面は、上手がまずまずです。

下手は香落ちを生かせていません。

上手からは44に角を打って△2六歩から飛車交換を狙う手などがありますが、そういう展開になってくると、逆に香落ちでよかったぐらいです。取られないので。

あとこの戦型で重要なのは86の馬です。よく働くか、かえって目標となってしまうかがポイントとなります。

 

下手はもう少しうまく駒組み出来そうではありますが、力戦になるので香落ち上手お勧めの作戦です。

 

香落ち 3手目△5四歩(大野流向かい飛車)② 

では下手が▲2二角成△同飛▲5三角と指さない手を考えていきます。

香落ち 三間飛車②

前回は上手三間飛車vs下手居飛車急戦の基本的な仕掛けをちょこっとみてみました。

shogi81komaochi.hatenablog.com

今回は上手三間飛車の様々なバリエーションに触れてみたいと思います。

 

まず前回の形は△8二玉△4一金型でした。

f:id:shogi81komaochi:20170226161731p:plain

他に△7一玉△5二金左型という形もあります。

f:id:shogi81komaochi:20170226165639p:plain

ほとんど違わねえじゃねえか、というツッコミが聞こえてきそうですが、金が連結しているというメリットがあります。

以下▲1四歩△同歩▲同香△3六歩(図)

f:id:shogi81komaochi:20170226170333p:plain

金を52に上がっているので△3六歩に代えて△1三歩~△1二飛はやりづらくなっています。よって△3六歩から捌いていく感じで難解です。

 

・△4三銀型

f:id:shogi81komaochi:20170226171700p:plain

銀を43に上がる手もあります。銀が42か43かという違いでまったく別の将棋になります。

ほっとくと△5一角~△3四飛と石田流に組む手がありますので、急戦志向なら▲4六歩(図)と突いて△5一角には▲4五歩をみせる指し方が多いです。

f:id:shogi81komaochi:20170226172514p:plain

以下囲いあって▲4五歩から仕掛けるという将棋になりそうです。

 

・△3四銀型

f:id:shogi81komaochi:20170226172719p:plain

そして上手が▲4五歩からの仕掛けを嫌うなら、△3四銀と上がる手もあります。

それでも下手は▲4五歩△同銀▲1四歩と仕掛ける手もありますが、△3四銀と上がらせたことに満足して持久戦にシフトする手もあります。

 

ざっと香落ちの上手三間飛車の形を紹介してみました。

香落ち上手を持って軽く捌いてみたいあなたは三間飛車を指してみてはいかがでしょうか。

 

香落ち 三間飛車①

香落ち定跡の王道は、上手三間飛車vs下手居飛車急戦です。

f:id:shogi81komaochi:20170226160601p:plain

それに対して居飛車は急戦で挑むのが多いですね。

もちろん持久戦も有力なんですが、将来的に飛車角交換の捌き合いになると上手の香がいないのがプラスに働く可能性もあります。

しかし急戦は急戦で上手の待ち受けるところ、という感じもするので、好みによると言えるところです。

 

・もっともポピュラーな仕掛け

f:id:shogi81komaochi:20170226161731p:plain

上図は定跡書に載っているような、上手三間飛車vs下手居飛車急戦の基本形です。

ここから▲1四歩△同歩▲同香(図)と進めるのがポピュラーな仕掛け。

f:id:shogi81komaochi:20170226162405p:plain

これに対し

△3六歩(図)と捌き合いの方針でいくのが一案。

f:id:shogi81komaochi:20170226162749p:plain

ここで▲同歩なのか▲2四歩と突き捨てるのか……変化は多岐にわたります。

 

また▲1四歩△同歩▲同香の局面で△1三歩も有力です。

以下▲同香成△同桂▲1八飛△1二飛(図)

f:id:shogi81komaochi:20170226163219p:plain

定跡書だと▲1四飛△3二金▲4六歩から腰掛け銀にして4筋を狙って下手有利と書かれていますが、形勢は難解だと思います。個人的に。

あと△1二飛では△2五桂もあり、その変化も難しいです。

 

・端歩の交換

f:id:shogi81komaochi:20170226164027p:plain

仕掛けの前に端歩の交換を入れるのか、という問題もあります。

下手側からすると、上手の玉が広くなるというデメリットもありますが、桂とか歩が何枚か入った時にいつでも▲9五歩と突けるメリットがあります。

感覚的なところなので判断は難しいです。

 

香落ち 三間飛車②に続きます。

shogi81komaochi.hatenablog.com